精神科看護師に多い辞めたい理由とは?退職の前にできることと転職方法

精神科勤務の看護師の中には、「辞めたいな」と感じているものの、今後のことを考えると転職すべきかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。一時的な感情で転職を決めると後悔することも考えられるため、慎重に決定したいものです。

本記事では精神科看護師が仕事を辞める前にできること、それでも転職したい場合に踏むべき手順について紹介します。

精神科看護師が「辞めたい」と感じる主な理由

どんな職場でも「辞めたい」と感じることはあるものです。そんな中で精神科に勤務する看護師が辞めたいと感じる理由には、主にどんなものがあるのでしょうか。まずは、「辞めたい」と感じる理由を紹介していきます。

患者様の気持ちや行動に引っ張られてネガティブになってしまう

精神科では患者様の気持ちに寄り添い、心のケアを行うことが求められます。

しかし、なかには患者様の言動や思考に左右されて、自身もネガティブな状態に陥ってしまう看護師もいます。特に共感性が高い看護師ほど、患者様の心理状態の影響を受ける傾向にあり、精神科での仕事を継続するのが難しく感じるようになるかもしれません。

キャリアに不安がある

精神科は一般化の看護師と比べると医療行為が少なく、看護技術を発揮するシーンが少ないです。そのため、看護技術の低下が気になる看護師もいます。

今後のキャリアを考えると、「このままで良いのかな」「ほかの病院で働いたほうがキャリアアップを図れるのでは?」などと感じ、辞めたいと思うようになるかもしれません。

病院の方針と合わない

精神科での治療方針は病院によって異なることが多いです。投薬中心の病院もあれば、投薬を行わずにカウンセリング中心の病院もあります。

自身の看護に対する考え方と病院の治療方針が異なると、仕事をしていても辛くなってきて継続が難しくなるのかもしれません。

精神科看護師が辞めたいと感じている時にできること

精神科看護師を辞めたいと思ってはいるものの、辞めて後悔しないか気になる方もいるのではないでしょうか。なかには「あのとき辞めずに頑張って良かった」という経験談を耳にすることもあります。

ここでは精神科看護師を「辞めたい」と感じたときにできることを2つ紹介します。精神科看護師の方で、今の仕事を辞めるべきかどうか悩んでいるのであれば、まずは以下の方法を試してみてください。

感情をコントロールする術を学ぶ

患者様のネガティブな話を聞くと引きずられてしまうなら、自分の感情をコントロールする術を学ぶことが有効です。例えば、患者様の感情はしっかり受け止めつつ、看護記録に書き出すことで後は受け流す、といったスタンスで仕事に挑むなどの対応が挙げられます。

また、患者様とうまくコミュニケーションがとれない場合は、接し方を学ぶのもひとつの方法です。日頃のケアや、先輩看護師から患者様の傾向をつかむなどして対処法を学んでおくことで、リスクを減らせるでしょう。

外部研修を通してスキルを磨く

職場であまり看護スキルを発揮する機会がないことで将来のキャリアに不安を感じているなら、外部研修に参加してスキルを磨くのがおすすめです。

今後ほかの診療科への転職やキャリアアップを考えている場合も、精神科での勤務中に看護スキルを高めておくと選択肢が広がります。

精神科看護師が早めに転職を検討した方が良い4つのケース

ここまで、精神科看護師を辞めたくなったときにできることを紹介しました。しかし、場合によっては早めに転職を決めたほうが良いケースもあります。

辞めたいストレスで体調に支障をきたしている場合

職場でのストレスや疲れによって体調に支障をきたしているなら、退職や転職を選択肢にいれた早めの行動が必要です。

例えば、以下のような症状がみられる場合です。

・毎日イライラしている
・ぐっすりと眠れず、夜中に何度も目が覚めてしまう
・動悸がしたり、息苦しくなったりする
・理由もなく不安な気持ちになる
・やる気が出ない など

こうした症状がある中で仕事を続けていると、うつ病などの深刻な状態になるおそれがあります。心身に悪影響を及ぼさないためにも、できるだけ次の職場へ転職することをおすすめします。

精神科以外でやりたいことがある場合

ほかの診療科で働きたい、看護師以外の仕事がしたいなど、精神科で看護師として働く以外にやりたいことがあるなら、早めに行動することがおすすめです。

常に「辞めたい」という葛藤を抱えながら仕方なく働き続けても、ストレスが溜まりますし、モチベーションも上がりません。

それよりも、自分がやりたいことに早めにチャレンジしたほうが自分のためになります。今の職場で働きながら、自分がやりたいことを実現できる転職先を探しつつ、退職に向けて準備をすると良いです。

精神科看護師を辞めて転職するまでの手順

精神科看護師を辞めて転職する場合の手順は以下で解説します。

1.退職時期を決めて上司に伝える

退職する時期は、職場の就業規則に則って決めるようにしましょう。

できるだけ早めに退職の意思を伝えておくと、看護師の補充や業務の引き継ぎのための時間を十分に取れ、職場にも迷惑がかかりません。

また、上司に退職の意思を伝える際は、できるだけポジティブな理由を伝えるようおすすめします。「さらなるスキルアップを図りたい」「今後のキャリアを考えて、〇〇科での経験を積みたい」といった退職理由だと気持ち良く送り出してもらいやすいです。

「きついから」「職場に不満があるから」「自分には合わないから」といったネガティブな内容だと、円満退職になりにくいだけでなく、もう少し頑張ってみるよう引き留められる可能性があります。

2.直近のボーナスについて確認する

退職時期はできるだけボーナスを受け取った後に設定するのが理想です。退職後になかなか転職先が見つからなかった場合に備えることができます。

退職時期を決める際は、ボーナスの算定期間や支給時期を考慮して決めると良いでしょう。

3.転職先を探す

先に転職先が決まった状態で精神科勤務を辞められると、金銭面でのリスクが少なく不安も最小限に退職できます。

今の職場で働きながら退職準備をしつつ、転職活動もしていくと良いでしょう。自分の理想とする求人情報が見つからないと焦ってしまいますが、妥協せず自分に合った職場にこだわって探しましょう。

また、転職先は精神科以外の診療科や他職種も視野に入れてみることもおすすめです。

他職種への転職を検討している場合は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
看護師から他職種への転職!おすすめの職場7選と転職先の選び方

4.退職までに引き継ぎをする

退職日が決まったら、自分の受け持ちの患者様の引き継ぎなどを行います。

特に精神科の患者様の場合、それぞれに合った接し方などがあるため、丁寧な引き継ぎが求められます。後任の看護師、患者様が困らないで済むように、注意すべき点をしっかりと伝えておくことが大切です。

まとめ

精神科の看護師が仕事を辞めたいと考える理由と対策方法について紹介しました。すぐに辞めるべきか判断が付かないなら、今回の記事で紹介した対策方法を実践してみてはいかがでしょうか。実践してみることで、今の状況に上手に対処できるようになり、仕事が継続できるかもしれません。

しかし、仕事のストレスから心身に不調をきたしている、ほかにやりたい仕事があるといった場合は、退職および転職を検討するようおすすめします。