【職場・勤務形態別】看護師の向き・不向き診断|自分の適性を見極めよう

【職場別】特徴と看護師としての向き・不向き

看護師の職場には、総合病院、一般病院、療養型病院、クリニック、美容クリニックなどがあります。

それぞれの職場の特徴と看護師としての向き・不向きについてみていきましょう。

総合病院

扱っている診療科目が幅広く、病床も多いのが総合病院の特徴です。

総合病院の多くは教育体制がしっかりとしており、基礎から専門看護まで幅広く学べます。最新の医療知識や高度な医療技術を習得することも可能です。

総合病院勤務のメリットは、大きな組織のなかで安定して働けることです。充実した環境でバリバリ働きたい方、ある分野に特化した専門スキルを身に付けたい方に向いている職場といえるでしょう。

一方、多忙な職場が多いため、のんびりと自分のペースで働きたい人には不向きといえます。

一般病院

一般病院は、地域に密着した20床程度の家族的な雰囲気の病院もあれば、900床規模の大病院もあります。また、それぞれの病院によって扱っている診療科目も異なり、特色が異なるため、自分に合った病院で働きやすいのが特徴です。

一般病院の看護師は、診察補助や各種測定、採血、注射、投薬といった看護全般に携わります。あらゆる疾患や治療に関する知識と、幅広い経験・スキルが身に付くのがメリットです。

マニュアルに縛られず、臨機応変に対応しながらスキルを磨きたい人におすすめの職場です。

逆に、自分で判断して動くのが苦手な人、周りから指示されて動くのが楽な人には向いていないかもしれません。

療養型病院

手術を行うことがなく、急患対応に追われることもない療養型病院では、落ち着いた環境でゆっくりと働けます。

プライベートの時間もしっかりと取りたい、家事や育児との両立を目指したいなど、ワークバランスを重視したい人におすすめです。

高齢者を対象に医療を提供する機関であるため、将来的に介護分野にかかわりたいと考えている人にとっては、スキルアップの場となるでしょう。

しかし、最先端の医療技術に触れたい人にとっては物足りない職場となる可能性が高いです。また、患者様と関わり合う時間や頻度が多いことから、患者様とコミュニケーションを取るのが苦手な人には不向きといえます。

クリニック

病床数は20未満、診療所によっては無床のところもあるクリニックは、家族で来院する患者様も多く、地域医療に貢献できるのが魅力といえます。

大きな病院と比べると少人数のスタッフで業務をこなすため、アットホームな雰囲気のところが多いです。そのため、クリニックでの勤務は、チームワークを大切にして働きたい人が向いているといえます。

逆に自分の仕事を黙々とこなすのが好きな方、密な人間関係を苦手と感じる方はギャップを感じやすいでしょう。

美容クリニック

美やアンチエイジングを目的とした美容医療を提供するのが美容クリニックです。

美容クリニックの看護師は、施術の補助のほか、美容注射、医療脱毛などを行います。受付や会計、電話対応なども行うのが一般的です。

美容クリニックでは、美を求める患者様が来院します。そのため、美容クリニックに勤務する看護師は、容姿が優れているかどうかにかかわりなく、美しくなるための努力を継続して行っていることが大切です。

美容に関する興味や関心が高い人が向いているといえるでしょう。

加えて、美容看護師には患者様の不安を取り除いたり、おすすめの施術や商品を紹介したりする必要もあることから、コミュニケーション能力が高い人は活躍できます

ただし、患者様への営業や物品や薬剤の発注といった看護業務以外の仕事も行うことになるため、看護業務メインで働きたい人には向いていません。

美容クリニックに向いている人や働くメリットについては、以下の記事でもご紹介しています。

美容クリニックはなぜ看護師に人気なの?理由や向いている人のタイプを解説

介護施設

介護施設の主な役割は、要介護認定を受けて入居(通所)される高齢者が快適に過ごせるようサポートすることです。医療行為は少なく、利用者様や入居者様の健康管理や介助が主な業務となります。

施設によってはレクリエーションなどもあり、利用者様・入居者様と接する機会が多いのが特徴です。また、利用者様の家族とのコミュニケーションも求められます。

介護施設勤務は、高齢者の方とのかかわりが好きな方、利用者様や入居者様、そしてその家族との信頼関係を大切にして働きたい方におすすめです。

高齢者とのコミュニケーションやレクリエーションに苦手意識がある方には、あまり向いていません。

訪問看護

利用者様の自宅を基本的に1人で訪問し、状態を観察して医療処置を行うのが訪問看護師の仕事です。

自分の判断で動かなければいけないシーンも多く、これまでの看護師スキルや経験を活かして働けるのがメリットといえます。

訪問看護は、チームワークで働くよりも自分で判断し、責任をもって看護に取り組みたい方に向いています。

看護師としてのスキルに自信がない人、看護師経験が浅い人には向いていない職場といえるでしょう。

児童福祉施設、障害者支援施設

児童福祉施設や障害者支援施設での看護師の仕事は、施設によって差はあるものの、介護や健康管理の側面が強いです。基本的には日勤のみで、夜勤や残業がないところも多くあるため、ワークバランスを重視したい人におすすめといえます。

利用者様やそのご家族との信頼関係が重要になるため、一人ひとりに寄り添って対応したい方が向いている職場です。

医療行為を行う機会は少ないので、看護師としてのスキルアップを重視したい人には不向きといえます。

保健所・保健センター

保健所・保健センターは、地域の人々の健康相談や健康診断、予防接種などが主な仕事です。地方公務員なので、安定して長く働けるのがメリットです。

向いているのは、地域医療に貢献したい方、人とのコミュニケーションをとるのが好きな方です。

ただし、看護技術を生かせる機会は少ないため、看護師としてのスキルアップを重視したい人には向いていないといえます。

【勤務形態別】特徴と看護師としての向き・不向き

看護師は、職場によって勤務形態がさまざまで、日勤のみの場合もあれば、夜勤ありのところもあります。また、正社員ではなくパート・アルバイトとして働く選択肢もあります。

次に、勤務形態別の働き方の特徴と、向き・不向きについてご紹介します。

日勤のみ

日勤のみで働くことのメリットは、規則正しく働けることです。朝決まった時間に出勤し、夕方に帰宅するので、生活リズムを一定にできます。

プライベートの時間も確保しやすく、ワークバランスを重視したい人におすすめの働き方といえるでしょう。

ただし、夜勤手当が付かない分、夜勤ありの看護師と比べると収入は少なくなるため、収入を重視したい人には向いていません。

日勤のみで働ける職場については、以下の記事でご紹介しています。

看護師が日勤のみで働くメリットとは|働き方や勤務先はどうなる?

夜勤あり(交代制)

24時間体制の病院では、夜勤を含む「2交代制」や「3交代制」などのシフトで勤務する働き方が一般的です。

夜勤手当が付くので、収入を重視したい人にとって夜勤ありの働き方はおすすめといえます。

しかし、体力的な負担が大きく、体力に自信がない人には向いていません。

パート・アルバイト

パートやアルバイトの勤務形態は、日勤を週に3日だけ、1日4時間を週5日など自分のライフスタイルに合わせて働けるのがメリットです。

育児や介護などでフルタイム働くのが難しい場合も、パートやアルバイトとしてなら活躍できると感じる方もいることでしょう。また、ワークバランスを重視したい人にも向いている働き方です。

ただし、労働時間は限られ、賞与や退職金もないケースが多いことから、収入を重視したい人には向いていません。

夜勤専従

夜勤のある医療機関では、夜勤専属で働く看護師を採用するところもあります。夜勤専従の場合、一般的に2~4万程度の夜勤手当がつきます。

非常勤でも高収入を得やすいため、収入を重視したい人や、月に稼働できる日数が少ない方にはおすすめの働き方といえるでしょう。

しかし、夜勤は基本的には少人数、職場によっては1人で働くところもあることから、チームワークを重視して働きたい人には向いていません。

まとめ

職場や勤務形態によって向き・不向きはあります。今の職場や働き方が自分に合っているかわからない方は、本記事をもとに診断してみてはいかがでしょうか。

もしかすると、自分にもっと合う職場があることに気付くかもしれません。看護師によっては働き方を変えるだけで、より充実した生活が送れるようになる可能性もあります。