これから産休を取る予定がある看護師の中には、産休中のボーナスは出るのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
何かと出費が多く収入も普段より減ってしまう産休中に、ボーナスが出ないとなれば心配ごとも増えてしまいます。
ここでは、看護師の産休中にはボーナスが支給されるのかをはじめ、産休育休中の給与事情や産休育休で看護師がもらえる手当について紹介します。
産休中の看護師はボーナスをもらえる?
看護師は、産休中や育休中であっても、原則ボーナスは支給されます。
男女雇用機会均等法や育児・介護休業法では、出産や育児を理由に従業員に不利益な対応をしてはいけないと定められています。産休や育休によって業務に貢献していないためボーナスを支給されないということはありません。
しかし、勤め先によっては、さまざまなケースも考えられます。
就業規則をチェックする
ボーナスの規定は、勤め先によって異なります。そもそもボーナスが出ない雇用形態や勤務先もあるため、まずは就業規則をチェックしてボーナスの支給について記載があるかを確認しておきましょう。
また看護師の場合ボーナスの規定は、勤め先によって大きく異なります。ボーナス支給額の算定期間や条件などによっては、もらえないケースもあるため注意してください。
ボーナスが減る場合もある
ボーナスの査定期間中に産休や育休で会社を休むと不就労の期間があるとみなされ、ボーナスの支給額が減額されてしまうことがあります。
看護師でよくあるのは、査定期間中の不就労日数を日割りしてボーナスがカットされるケースです。
このように産休や育休中のボーナスは、満額支給されるとは限らないため、あらかじめ就業規則のチェックや会社に直接問い合わせて確認しておきましょう。
産休中の看護師のボーナス事情
産休中の看護師のボーナス事情は、勤務先によって支給額やボーナスの有無が異なります。
国公立病院に勤める看護師の場合、査定期間に応じて減額はあり得るものの、ボーナスは支給されることが多いです。
ただし、育休が延長して1年以上の長期休暇を取得する場合は、支給額に調整が入るケースがあります。賞与の減額に不安がある方は、あらかじめ総務部に相談しておくことをおすすめします。
一方、私立病院やクリニックなどの施設では、産休・育休期間に休んだ分を除いて支給されるパターンが一般的です。なかには、産休・育休を取得している年度はボーナスが支給されない場合もあります。
産休・育休中に看護師がもらえる4つの手当
産休や育休中は原則として給料は支払われません。法律的にも企業側に給料を支払う義務は課せられていないからです。
しかし、給料の代わりに産休・育休中には、以下の手当や給付金が受け取れます。
・出産育児一時金
・出産手当金
・育児休業給付金
・児童手当
手当の種類や申請期日、金額などを把握して、確実に受け取れるようにしましょう。
1. 出産育児一時金
出産育児一時金は、子どもを出産すると健康保険から支給される一時金で、健康保険に加入している人なら誰でも受け取り可能です。通常なら子ども1人につき42万円、双子なら84万円が支給されます。
産科医保険制度に加入していない医療機関で出産した場合は、子ども1人につき39万円に減額されるので注意しましょう。
申請期限は、出産の翌日から2年以内です。医療機関側が代わりに請求する「直接支払制度」を利用すれば、役所に出向いて手続きする必要はありません。
2. 出産手当金
出産手当金は、産休中の働けないときに健康保険から支払われる手当です。休業1日あたり、標準報酬日額の3分の2が支給されます。
例えば、基本月給が30万円で100日間休業した場合、以下の支給金額が受け取れます。
30万円×30分の1(日割り)×100日×3分の2=66万円
期限は、出産日より42日以前から出産後56日までの分が支払われます。
3. 育児休業給付金
育児休業給付金は、育児休暇を取得し給料がもらえない状況のときに、雇用保険から支払われる給付金です。
通常は子どもが1歳になる前日までが対象ですが、保育園に入所できないといった、一定の条件を満たせば出産後、最大2歳まで給付金が受け取れます。
給付対象の条件として、育休後に復帰の見込みがある人と育児休暇前の2年間で実働している期間が1年以上あることが必須です。
給付金額は、育休開始日から180日目までが基本給の67%、181日目からは基本給の50%と定められています。
初回申請期限が育休開始日から4ヶ月後の月末まで、2回目以降の申請期限は2ヶ月ごとの申請となっている点に注意しましょう。
4. 児童手当
児童手当は、産休や育休に関係なく3歳までの間に1ヶ月15,000円が支給される制度です。ただし、年収が所得制限の限度額が超えている場合は、1ヶ月5,000円の支給となります。
申請した翌月から児童手当は開始されますが、毎月振り込まれるわけではなく、2月・6月・10月にまとめて支給される仕組みです。
申請するには、現住所の自治体に児童手当認定請求書や健康保険証の写し、振込先口座、印鑑などを提出しなければなりません。
子育て中に看護師として働く場合には、さまざまな制度を知っておくと安心して働けます。詳しくは、以下の記事で紹介しています。
産休中にボーナスをもらった場合の税金や保険料は?
産休中でも勤務先の規定によってはボーナスが支給されるケースがありますが、税金や保険料も気になるでしょう。
ここからは、産休中のボーナスに関する税金や保険料について解説します。
社会保険料は免除される
産休や育休中は、社会保険料が免除されます。免除期間は、休みに入った月から休みが終わる前月までです。日割り計算は適用されないので注意しましょう。
社会保険料が免除されている状態でも被保険者資格はあり、納付記録には納付したとして記録されます。
申請には、勤め先から手続きに必要な書類が渡されるため、必要事項を明記して提出しましょう。
また、産休から続けて育休を取得する場合は、新たに申請手続きが必要です。手続きをせずに育休に入ってしまうと、社会保険料が高額になるケースもあるため、忘れず手続きしてください。
雇用保険料や税金はかかる
産休や育休中でもボーナスや給与の支給は、所得税の対象となります。働いているときと同様に、所得税や住民税、雇用保険料は引かれるので注意しましょう。
ただし、住民税は前年度の所得から算出されるため、前年度の所得がなく非課税の場合は対象にはなりません。
手当や給付金には影響しない
産休や育休中にもらえる手当や給付金が、ボーナスを支給されたことでもらえなくなったり、減額されたりすることはありません。
しかし、ボーナスではなく「給与」として支払われる場合には、出産手当金と育児給付金に影響が出るケースがあります。
例えば育児給付金の場合は、給料として8割以上が会社から出ている場合は支給対象外となり、受け取れなくなってしまうのです。
給与の額によって出産手当金と育児給付金が減給、あるいは不支給となる可能性があるため事前に確認しておきましょう。
まとめ
看護師が産休に入っても、基本的にボーナスは支給されます。ただし、雇用形態や査定結果によっては支給されないケースもあるので、まずは就業規則を確認するのが大切です。
また、産休や育休中には、給付金や手当などさまざまな経済的支援政策が準備されています。条件などを確認しつつ、申請を忘れないように行いましょう。