看護師の転職には、有利な時期と不利な時期が存在します。時期を誤ると良い求人になかなか出会えず、妥協せざるを得ないので、転職を成功させたければベストな時期を見極めることが大切です。今回は、看護師転職にベストな時期を解説します。
【キャリア別】看護師の転職におすすめの時期
看護師としての経験年数は、転職に影響を与えます。そこで、看護師のキャリアの中で転職におすすめの時期から説明します。
3年未満
経験年数が3年未満の看護師は、第二新卒を募集している求人に応募しやすい時期です。第二新卒とは、卒業後に就職したものの短時間で離職し、転職を志す若手求職者のことをいいます。主に、卒業後3年以内の人材を指すことが多いです。
第二新卒向けの求人に応募すると、新人と同じように教育してもらえるので、スキルを身につけやすいといったメリットがあります。体力のある若い看護師を募る転職先もあるので、第二新卒としての利点を生かしてアピールすれば有利になるでしょう。
ただし、転職理由が曖昧だとすぐにやめられるのではないかという懸念を持たれてしまうことがあります。1~2年目の新人看護師は、経験や技術が未熟であるため、転職活動が難航する可能性があります。入職したばかりで転職するなら、教育環境の整った病院を探すなど、転職先選びは慎重に行いましょう。
もし、経験が1〜2年目でもどうしても転職したい場合は、4月の入職を目指して転職活動をするのがおすすめです。ほかの新人と一緒に研修を受けられるため、安心してスタートできます。
3年以上5年未満
3年以上のキャリアを積んだ看護師は、ある程度の臨床経験があると判断され、中途採用で有利になります。スキルや知識が身についている看護師は即戦力として期待されるためです。即戦力は時期を絞らずに優遇されるため、転職時期にこだわる必要はないでしょう。
ただし、専門性の高い職場では経験豊富な看護師を優先して採用する傾向があり、リーダー経験や人材育成経験が必要とされる職場ではより高い実績が求められます。転職に有利な時期といっても、自身のスキルや実績について整理しておくことが大切です
5年以上
5年以上の臨床経験を経た看護師は、管理職やマネジメント職への転職に有利といえるでしょう。即戦力採用がメインとなる看護業界では、5年以上の臨床経験をもつ看護師に備わっている技術や知識、マネジメント経験は高く評価されます。十分なスキルは時期を絞らず優遇されるため、転職時期にこだわる必要はありません。
プリセプターやエルダーなど責任のあるポジションを任される機会も増えるので、仕事の幅も広がり、まだまだ経験を積んでいける時期でもあります。実績や経験のある看護師にとっては転職しやすい時期ですので、看護師としてのキャリア形成についてしっかり考えた上で転職先を決めると良いでしょう。
【月別】看護師の転職におすすめの時期
1年の中でも、看護師転職に適した時期と適さない時期があります。ここでは、看護師の転職にベストな月を紹介します。
1月・6月|ボーナス後で求人数が増加
1年の中で看護師転職におすすめの時期といえば1月と6月です。ボーナスをもらった後は退職者が増えるので、離職者の補充にともなって求人数も増加する傾向にあります。多くの求人を比較検討できるこの時期は、数ある選択肢の中から自分に最適な職場を見つけたい方におすすめの転職時期となります。
特に1月は年始でもあり、転職活動を行う看護師も少ないです。求人数の割には競争率が低く、狙い目の時期と言えるでしょう。
新人看護師の研修が落ち着く6月は、スムーズに転職活動をしやすい時期になります。ただし、6月はボーナス支給時期に当たるため、退職日には注意しなければなりません。
タイミングを誤るとボーナスが支払われなくなるので、ボーナス支給日には在籍している必要があります。就業規則を確認し、病院ごとに定められたボーナス支給のルールに従って退職日を決定しましょう。
10月・11月|繁忙期に向けた人員強化で求人数が増加
10月・11月は、年末年始の繁忙期に向けた人員強化のための求人数が増えるため、転職にもっともおすすめの時期です。
10月は人事異動の時期であり採用活動が活発になります。4月に採用した新卒者の研修も落ち着き、中途採用者が十分な教育を受けられる時期でもあります。中途採用者が業務に慣れるための時間を確保しやすいです。
また、この時期は翌年4月の採用に向けた求人数が増えます。3ヶ月以上かけてゆっくり転職活動をし、春の入職を目指せる時期となります。
2月|転職希望者が少なくじっくり転職活動可能
落ち着いて転職活動をしたい方には、2月もおすすめの転職時期です。2月は求人数こそ少ないものの、転職を希望する看護師も減るため、採用担当者が応募者としっかり向き合える時期になります。
退職や採用が少ないこの時期は、採用担当者の業務も落ち着いていて長期休暇もない月なので、内定者へのフォローも行き届きます。転職する看護師にとっては職場に慣れやすく、働きやすい時期といえるでしょう。
【月内編】看護師の転職におすすめの時期
1ヶ月の中で転職におすすめの時期をみていくと、月半ばがおすすめです。
応募先によりますが、月初と月末は採用担当者が多忙である場合が多いです。給与の締めの兼ね合いがあったり、入職者や退職者の手続きをしたりするためです。多忙な時期に応募すると、対応が遅くなってしまう場合があります。
比較的業務が落ち着いている月半ばだと、採用までのステップがスムーズに進む可能性が高いでしょう。ただし、月により状況は異なるので、目安として捉えるようにしましょう。
【希望職種別】看護師の転職におすすめの時期
希望する職場によっても転職に適した時期は異なりますので、職種別のベストな転職時期を解説します。
大規模病院や大手クリニック
大規模病院や大手クリニックでは、4月頃に一定規模の採用があります。採用準備は前年度から始まるので、規模の大きな病院やクリニックへの転職を希望するなら、1年以上前から転職活動を始めると良いでしょう。
4月入職の場合だと夏頃から採用活動が本格化するので、4月から働きたいのであれば前年の5月頃から転職活動を始めます。年度途中での入職を考えている方は、夏のボーナス後に退職者が増えるので、欠員補充による求人数の増加を見越して秋から冬に向けた転職活動をおすすめします。
いずれにせよ、大規模病院や大手クリニックへの転職は余裕をもったスケジュールを立てることがポイントです。
個人クリニック
定期的に求人を出す大手病院とは違って、個人クリニックは人員が不足した時に求人を出すケースが多いです。年間を通して求人を出しているものの、転職したいクリニックがある方はこまめに情報をチェックしておく必要があります。転職時期としては、ボーナス後の1月、6月と繁忙期前の9月〜11月頃がおすすめです。
特に4月~5月、9月〜11月は求人数が増えやすいので、チャンスを逃さないようにしましょう。なお、近年需要が高まっている美容医療業界は、時期を問わず求人を出す傾向にあります
美容クリニック
美容クリニックの求人が多く出ているのは1月頃です。4月の入職を見越して、募集をかけています。この時期は、他にも転職者がいたり、新卒者がいたりするので職場になじみやすいでしょう。
次に、10月の入職を見越して募集をかけている9月頃です。夏のボーナス後に退職をする人がいるため、この時期の求人も多くなっています。
また、年末のボーナス後に退職する人もいます。1月の入職を見越し、12月頃に求人が増えるのでこの時期も狙い目です。
訪問看護ステーション
在宅医療の需要が高まっている昨今において、訪問看護ステーションの求人数も増加しています。特に、新卒採用時期の4月〜5月、年末年始の人員拡充のための9月〜11月は求人数が増えるため要チェックです。
かつて訪問看護師への転職は、キャリアが10年以上ないと難しいといわれていましたが、現在は教育制度も充実している事業所が多く、キャリアが浅くても転職は可能です。
看護師がベストな時期に転職するために気をつけるべきこと
看護師の転職を成功させるためには、転職する時期を見極めることが重要です。そこで、看護師がベストな時期に転職するための注意点をまとめました。
転職活動は最低でも3ヶ月前から始める
実際に看護師が転職するとなると求人探しから始まり、応募、選考、面接など思いのほか時間を要します。最低でも転職したい時期の3ヶ月前から活動を始めないと、希望どおりの転職ができなくなってしまうので、十分な活動期間を設けることが大切です。
転職活動期間中は転職活動とともに、引き継ぎなどの退職準備をしなければなりません。時間が足りなくなりあせって失敗することのないよう、余裕をもったスケジュールでの活動をおすすめします。
職場への退職届は就業規則に則って提出する
現在の職場を円満に退職するには、就業規則に則ることが基本です。
就業規則を確認した上で退職する旨を伝えるようにしましょう。退職の意思を伝える時期が早ければ早いほど、病院側も余裕を持って引き継ぎや欠員補充に時間を割けます。わだかまりなく退職するためにも、引き継ぎ業務をしっかり行うことが大事です。
また、ネガティブな退職理由の場合はストレートに伝えるのではなく、正当な理由をしっかり考えておくべきです。本音は別にあったとしても、資格取得やスキルアップのためなど、ポジティブな理由を伝えた方がスムーズに退職できるでしょう。
面接で働ける時期をしっかり伝える
面接では「いつから働くことができるのか」を質問されるため、退職までのスケジュールを考えておくことが大切です。大まかな入職可能日程と、その理由を伝えるようにしましょう。
回答例をご紹介します。
・就業中の場合
「正式に内定を頂いてから、約2ヶ月で入職できます。現在の業務の引き継ぎを行い、退職の手続きをしたあと入職が可能です。」
・離職中の場合
「内定を頂いた翌日から勤務可能です。」
このように日程と理由を伝えましょう。
入職日程は、業務の引き継ぎや引っ越しなどを考慮し、2~3ヶ月後の日取りで伝えると良いでしょう。現在の職場が人員不足である場合、引き継ぎ期間の延長を依頼される可能性があります。万が一を考慮し、余裕をもった日程を伝えることがおすすめです。
ただし期間が長引くと「意欲がない」と判断されかねないため注意しましょう。
求人票に入職日が記載されている場合は、できる限りその日程に合わせることがおすすめです。
看護師の転職に強いエージェントを頼る
一人で活動するのが不安な方は、看護師転職に強いエージェントに頼る方法もあります。エージェントではベストな時期に転職できるよう、求人探しや書類作成、面接対策などさまざまなサポートを行っています。転職したい時期が決まっているならば、希望に沿ったスケジュールを組んでくれるので、一人で進めるよりも効率的です。
美容看護師として転職を成功させたい方には、美容看護師(ナース)専門の転職エージェント「ビナラボ」の活用をご検討ください。ビナラボは全国の求人に対応している転職サイトで、時期を問わず活動できます。
現役美容看護師や他分野で活躍している元美容師など専門のアドバイザーによるキャリア形成サポートもあります。詳しくは、ビナラボの無料相談をご活用ください。
まとめ
転職時期を誤ると希望の時期までに入職できなかったり、良い求人と出会えなかったりして、早期退職という結果を招くおそれもあります。自分一人ではスケジュールどおりに進まないときもありますが、プロによるサポートを受ければ転職時期の短縮も見込めます。スムーズに転職したい方は医療系に強いエージェントなども活用し、希望どおりの転職を叶えましょう。