看護師の転職先というと、病院をイメージする人が多いでしょう。しかし、看護師は多方面で求められる人材であり、病院以外にもさまざまな転職先の選択肢があります。
今回は、病院以外への転職を考えている人のために、病院以外のおすすめの転職先と、病院以外の職場に転職する場合の注意点を紹介します。
看護師が転職できる病院以外の職場9選
「看護師=病院」というイメージが強いですが、看護師を求める職場は病院以外にもいろいろあります。病院以外にどんな転職先があるのか、詳しく見ていきましょう。
1.一般クリニック
看護師の病院以外の転職先として挙げられるのが、一般クリニックです。主な業務は医師の補助ですが、眼科や整形外科などの専門クリニックの場合は、専門の業務が発生することもあります。
一般クリニックに転職するメリットは、病院のように入院施設を備えていないことが多く、夜勤が発生しないことです。基本的には勤務時間も一定です。夜勤のある病院での勤務と比べると、ワークライフバランスを保ちやすいでしょう。
一方で、病院ほど研修や講習が充実していないことが多いです。看護師としての知識やスキルを習得しにくいデメリットもあります。キャリアプランをしっかり見定めなければ、転職で後悔してしまうかもしれません。
2.健診センター
病院以外に転職したいのであれば、健診センターという選択肢もあります。主な業務は一般検診や特定検診、人間ドック、脳ドック、健康指導などです。
病院のような突発的な対応が少ないため、落ち着いて働きたい人におすすめです。同じ業務が続くため、ルーティンワークが好きな人にも向いています。
ただし、病院と比較すると淡々と1日が過ぎていくうえ、デスクワークも多いです。看護師としてのやりがいは感じにくいかもしれません。
3.美容クリニック
美容に興味があるのなら、美容クリニックに転職するのもおすすめです。美容クリニックには、シミやしわ取りなどの施術を行う美容皮膚科と、目や鼻、輪郭の手術や脂肪吸引などを行う美容外科、レーザー照射による脱毛をする医療脱毛などがあります。
患者様に美を提供する場所であるため、常に身だしなみを整えておかなければなりません。また、「美しくなりたい」「コンプレックスを解消したい」というお客様のサポートをすることから、高い接遇レベルが求められます。
一方で、命に関わる危険な施術がなく、精神的な負担は感じにくいです。予約制を採用しているクリニックが多いため、1日の流れを把握しやすく、残業や夜勤もほとんど発生しないでしょう。
さらに、ほかの職場と比べると給料も高めです。魅力的な転職先ではありますが、その分人気があって競争率が高めなのがデメリットです。
美容看護師の年収水準については、以下の記事で詳しく解説しています。
「年収500万円以上も?美容看護師の給料が高い3つの理由!ノルマはきつい?」
4.介護施設
看護師の病院以外の転職先として、特別養護老人ホームやデイサービスなどの介護施設があります。主な業務は医師の指示のもと、利用者の健康管理をすることです。バイタルチェックや服薬管理、各種処置などを担当することになるでしょう。
病院の看護師と比べると、体力的な負担は少なめです。また、さまざまな疾患に対応することになるため、知識が広がるでしょう。
しかし、施設によっては看護師でも介護業務を担当することがあります。看護師として働きたいと考えている人では、思うように働けないおそれもあります。
5.一般企業
一般企業でも看護師の求人を出していることがあります。産業看護師と呼ばれる仕事で、企業の医務室などに滞在し、従業員の健康管理を行うのが主な業務です。
健康診断の調整や応急処置といった業務だけでなく、メンタルカウンセリングや過重労働対策などを担当することもあります。
従業員が健康に働けるようにサポートするのが仕事なので、長時間労働になりにくいのが魅力です。大手企業の産業看護師として就職できれば、収入増も目指せるでしょう。
ただし、看護師を1人しか配置しない企業もあるため、さまざまなことに対応できる経験や知識、対応力が求められる可能性があります。
6.訪問看護ステーション
訪問看護ステーションも、病院以外の転職先のひとつです。介護福祉士やケアマネージャーと連携しながら働きます。在宅医療を必要とする利用者の自宅に出向き、主治医の指示のもと点滴や注射をしたり、健康状態の確認や服薬管理を行ったりするのが主な業務です。
夜勤がなく土日祝日が休みの職場も多いので、スケジュール管理もしやすくなるでしょう。人間関係の煩わしさを感じることが少ない職場でもあります。
ただし、患者様の容態が急変したときに、時間外でも対応(オンコール)しなくてはならない可能性があります。また、教育期間が短めだったり、勤務ルールが明確でなかったりすることがあるため、転職前にしっかりと調べておくことが大切です。
7.医療機器メーカー(フィールドナース)
医療機器メーカー(フィールドナース)として働く選択肢もあります。医師を相手に自社製品のプロモーションをしたり、展示会などでデモンストレーションをしたりするのが主な仕事です。
看護師としての知識は使うものの、会社員なので夜勤などがなく、安定して働ける魅力があります。業績を上げれば、給料アップも見込めます。
ただし、医療行為や看護を行うことはありません。看護師としてのスキルを伸ばしたい人には向かないでしょう。
8.ツアーナース
旅行好きな人には、ツアーナースもおすすめです。イベントや団体旅行などに同行して、参加者の健康管理や病気・ケガの初期対応などを行う仕事です。
単発の仕事が多く、仕事量を調節しやすいのがメリットです。ただし、ツアーの場合は事前に打ち合わせがあったり、宿泊する必要があったりします。
また、さまざまな持病や既往症をもつ参加者にも対応しなくてはならないため、幅広い知識が必要です。
9.保育園・幼稚園
保育園・幼稚園でも、看護師を募集していることがあります。主な業務は、園児の体調管理や感染症対策、ケガの処置などです。保護者に保健指導を行う場合もあります。
保育業務も行うため、看護師というよりは保育士に近い働き方になるでしょう。子どもが好きな人や、看護師の業務にこだわりがない人におすすめです。
ただし、ほとんどの施設で看護師を1人しか配置しないため、重い責任を感じることも多いです。看護師としてある程度経験を積み、1人でもそれなりに対応できる人のほうが安心です。なお、幼稚園で働く場合は、養護教諭の資格も必要になります。
看護師の転職先が病院以外のときに注意するべきこと
看護師が病院以外に転職する際に、いくつか注意したいことがあります。
病院以外は倍率が低い
病院以外の求人は倍率が低めです。ほとんどが病院以下の有効求人倍率なので、転職の難易度が高くなります。特に、一般企業や保育園などは求人が少ないので、競争率が上がる可能性が高いでしょう。
チャンスを逃さないように、希望の業界に特化した対策をしておくことが大切です。自己分析と情報収集を徹底しておきましょう。
求人を見つけづらい
看護師向けの求人は、半数以上が病院です。そのため、病院以外の求人を見つけにくく、転職活動が長引く可能性がある点にも注意する必要があります。細かな比較検討ができず、妥協して転職先を決めることもあるかもしれません。
病院以外に転職したいなら、転職サイトを利用するのがおすすめです。
転職サイトなら、非公開求人をもっていたり、アドバイザーのサポートを受けられたりします。独自の情報も得ることができ、病院以外の求人が見つけやすくなります。
転職先として美容クリニックを考えているなら、ぜひ美容看護師(ナース)専門の転職サイト「ビナラボ」をご活用ください。ビナラボなら、美容業界に精通したアドバイザーに相談できるので、転職活動がスムーズに進みます。相談は無料で行っているため、どうぞお気軽にお問い合わせください。
まとめ
看護師の転職先というと病院をイメージしがちですが、実際には幅広い選択肢があります。夜勤がなかったり、会社員として働けたりすることもあるので、自分に合う転職先を探してみましょう。