医療業界のなかでも、近年市場が拡大しているのが「メディカルエステ」です。メディカルエステの市場規模は年々拡大しており、2022年の139億米ドルから、2027年までには234億米ドルに達すると予測されています。
このような動向の背景にあるのが、美容医療の需要の高まりです。近年は、男性にも美容治療が注目され、利用者が増えています。また、高齢者の間でも美容処置が採用されはじめて、メディカルエステの市場規模の拡大を後押ししています。
今回は、メディカルエステについて解説しながら、通常のエステとの違いや看護師として働くメリット、職場での注意点を紹介します。転職先のひとつとしてチェックしておきましょう。
出典:「メディカルエステ(美容医療)の世界市場」(株式会社グローバルインフォメーション)
メディカルエステとは?
メディカルエステとは、医師が監修・運営する医療機関で行われるエステをいいます。
一般的なエステでは、医師が在籍しておりません。そのためエステでは医療行為は行わず、マッサージなどによるリラックスを目的に施術を行います。
一方、メディカルエステでは専門医がいるため、医学的なアプローチで肌の悩みを改善できるのが特徴です。エステとは異なり医療器具や薬剤を使った施術ができ、美容と健康をサポートします。
メディカルエステでは肌トラブルを改善する治療のほか、フェイシャルマッサージをはじめとする一般的なエステ同様の施術も提供しています。ボトックス注射などに対応したクリニックもあるので、メディカルエステとエステの違いをしっかり理解しておきましょう。
メディカルエステ | エステ | |
施術の目的 | 医学的観点からの改善処置 | リラクゼーション |
施術メニューの医師の監修 | 有 | 無 |
医師による診察 | 有 | 無 |
医療機器の使用 | 可能 | 不可 |
薬剤の使用 | 可能 | 不可 |
医師によるアフターケア | 有 | 無 |
メディカルエステで働く看護師とは?
ここでは、メディカルエステで働く看護師について紹介します。国家資格をもつ看護師は、幅広い業種、職場でニーズがあります。
メディカルエステ看護師の仕事内容
メディカルエステで働く看護師の仕事は、医師の診察介助がメインです。美容外科の施術を行っている場合は手術の介助やレーザー脱毛の処置、脂肪吸引の介助も担当するなど、業務は多岐にわたります。
また、来院する患者様のカウンセリングを行うのも、看護師の仕事のひとつです。メディカルエステには基本的に健康な人が来院するため、患者様というよりもお客様としての接客対応が求められます。
メディカルエステ看護師が働く職場
メディカルエステ看護師の職場は、主に美容皮膚科や一部のクリニックです。美容皮膚科にメディカルエステを併設しているクリニックが多く、そのほかにも、皮膚科クリニック、形成外科クリニック、レディースクリニックにもニーズがあります。
メディカルエステは緊急性の高い患者様を受け入れておらず、入院設備がなければ夜勤はありません。そのかわり、お客様が通院しやすい日に合わせて、日祝が出勤になるケースがほとんどです。
看護師がメディカルエステで働くメリット
ここでは、看護師がメディカルエステで働くメリットについて紹介します。
美容関連の知識やスキルを身につく
メディカルエステで働くと、美容関連の最先端の知識が学べます。
看護技術のスキルアップはしにくい反面、エステティシャンの資格や経験、化粧品検定、美容師、理容師、福祉理美容師といった幅広い資格を習得するチャンスがあります。
また、日本の美容医療を求めて海外から来院する患者様もいるため、外国語を習得しておけば優遇されやすいでしょう。
低価格で施術を受けられることもある
メディカルエステで働くと、クリニックで取り扱っている美容施術やコスメなどを低価格で利用できる可能性があります。美容医療では常に新しい技術が生み出されているため、最新技術を導入したら実際に体験し、その良さを理解したうえで患者様に提供する必要があるからです。
たとえば、痩身、美肌、AGAなどの施術や、メディカルコスメ、サプリ、漢方などを社員割引で活用できるチャンスがあります。自分自身がきれいになりたい看護師にとって、メディカルエステはメリットが大きい職場だといえるでしょう。
看護師がメディカルエステで働く際の注意点
引き続き、看護師がメディカルエステで働くときの注意点を解説します。採用にも関わってくるため、美容医療の職場ならではの特色に注目しましょう。
美容関連のスキルや業務経験が必要
メディカルエステでは医療経験よりも美容関連のスキルが重視されます。皮膚科や形成外科での勤務経験がある人や美容系の仕事の就業実績があると、採用に有利にはたらくでしょう。
また、アロマテラピーやマッサージ系の資格を所持している場合も同様です。これは、看護師としてだけでなく、施術者としての能力も期待できるからです。
求める人物像として清潔感が重視される
看護師としての能力に容姿は関係ないものの、メディカルエステの採用では清潔感がある人、美容に関心が高い人のほうが採用されやすい傾向があります。なぜなら、メディカルエステでは看護師がクリニックの美容医療の広告塔としての役割を担っているからです。
患者様は、クリニックで働く看護師の姿をよく見ています。看護師の美意識が高いと、クリニックや施術の信頼を得やすいのです。
メディカルエステの求人数は少ない
一般的に、メディカルエステの看護師としての求人数はやや少ない傾向があります。先述したとおり、皮膚科クリニックや形成外科クリニック、美容クリニックと併設されていることが多く、見つけづらいことが多いためです。
そのため、求人を探す際は、メディカルエステを併設もしくは施術をしているクリニックを探してみると良いでしょう。
看護師がメディカルエステで働く上で必要な資格は?
メディカルエステで求められるのは、あくまでも医師の施術に対するサポートです。まつげエクステやパーマ、眉カットといった美容師免許が必要な業務内容でなければ、看護師資格以外に特別な資格がなくても就業できます。
とはいえ、即戦力を探しているクリニックでは、病棟での実務経験を必須としている場合もあります。新卒ではなく、看護師として働いている実績があるなかで転職を検討している場合は有利です。
メディカルエステで働くならビナラボにご相談ください
メディカルエステで働きたいのであれば、転職エージェントの活用がおすすめです。美容クリニックの求人は少なく、倍率も高いため、転職エージェントで効率良く転職活動をしましょう。
美容業界に特化した転職エージェント「ビナラボ」は、メディカルエステをはじめ美容看護師(ナース)の求人を豊富に掲載しています。たくさんの求人情報のなかから、希望の条件に合った転職先を見つけやすいでしょう。
美容業界に精通したアドバイザーが求人紹介から面接対策までフルサポートしているため、初めての転職でも安心です。また、転職後もやりがいをもって働けるよう、キャリアプランの形成についてもアドバイスしています。
メディカルエステで働く看護師を目指すなら、どうぞお気軽に「ビナラボ」までご相談ください。
まとめ
近年市場規模が拡大しているメディカルエステは、看護師の転職先におすすめです。美容関連の資格がなくても採用のチャンスがあるため、メディカルエステに興味があるなら前向きに検討してはいかがでしょうか。
とはいえ、メディカルエステは求人が少ない傾向があります。求人を探す際は、転職エージェントで効率良く探すことをおすすめします。