看護師のボーナスは少ない?他職種との比較やボーナス額を上げる方法!

賞与支給時期になると、「自分のボーナスの額は実は少ないのでは…?」「他の病院だともっと多いのかも」などと気になる看護師の方もいるでしょう。この記事では、看護師のボーナスの平均や、なぜ少ない・もらえないケースがあるのか理由を解説します。また、ボーナスを増やすためにできる方法についても紹介しているので、ボーナスに不満がある方はぜひ参考にしてください。

看護師のボーナスは多い?少ない?

まず、看護師のボーナスがほかの職種と比べて多いのか少ないのか、統計調査から確認してみましょう。

看護師のボーナスの平均金額は約85万円

厚生労働省が実施した令和3年度賃金構造基本統計調査によると、看護師全体の平均ボーナス額は、85.5万円でした。目安として、1回あたり1.4~1.5ヶ月分ほどの支給額にあたります。

出典:「令和3年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

なお、上記の平均額は正看護師のものです。准看護師になると平均額はやや下がり、62.7万円となっています。

また、ボーナス額は病院の規模によっても異なり、勤務先職員数が多い大規模な病院ほど多く、職員数が少ないほど少なくなる傾向です。職員数1,000人以上の病院の平均は101.1万円ですが、10~99人の病院では63.2万円でした。

他職種の平均と比べるとやや低い

続いて、看護師のボーナスをほかの職種と比較してみましょう。

同調査における全職種の平均ボーナス額は87.6万円で、看護師の方がやや低めでした。ただし、女性に限定して比較すると、全職種の平均は61.7万円・看護師の平均は84.6万円と、看護師の方が高くなっています。

看護師でボーナスが少ない・もらえないケースとは

看護師のボーナス平均額について見てきましたが、勤務先や働き方によってはボーナスが少ない、もしくはもらえないケースもあります。

ここでは、ボーナスがもらえない主なケースを見ていきましょう。

個人経営の医療機関に勤めている場合

個人経営の病院やクリニックでは、そもそもボーナス制度がないこともあります。ボーナスは経営者の方針や病院やクリニックの売上によって設定されています。

特に、地方の個人経営の病院では、給与設定自体が低い傾向です。その影響で、ボーナスがまったくない、あるいは大幅に少ないこともあるでしょう。福利厚生についても、大規模の病院と比べると整っていないケースが多いです。

パート勤務の場合

パートで時短勤務をしている場合は、ボーナスの支給対象とならないことが多いです。ボーナスのある医療機関でも、雇用形態によってはまったくもらえないことや、あるいは寸志程度になることがあります。

医療機関によっては、条件を満たした非正規雇用の看護師にもボーナスを支給しています。その場合、正規雇用の看護師と比べると少なくなるのが一般的です。

勤務先の経営状況が良くない場合

勤務先の経営状態が良くない場合にも、ボーナスが少なかったりもらえなかったりすることがあります。経営の基盤が不安定になりがちな中小規模の病院に多いです。

もともとボーナスは、業績や勤務成績に応じて支給される賃金で、給与とは違い法的に支払義務はありません。そのため、通常はボーナスが支給されていても、業績が悪化すると急に支給されなくなったり減額されたりすることがあるのです。

コロナ禍で看護師のボーナスが増減したケースがあるのも、ボーナスの支給が業績に関係していることによります。

ボーナスが少ない看護師必見!ボーナス額を上げる3つの方法

ボーナスは、毎日頑張ったことに対するご褒美のようなものです。額が少ないと、仕事に対するモチベーションが低下することもあるのではないでしょうか。

そこで、看護師がボーナスを上げる方法を3つ紹介します。

1.スキルや資格を取得する

スキルや専門資格を新たに取得してキャリアアップを図れば、ボーナスが上がる可能性があります。

看護師のボーナスは基本給をもとに支給されることが多い傾向です。専門看護師や認定看護師になると給与が上がる勤務先の場合には、ボーナスアップが期待できます。また、給与に直接反映されない場合でも、役職への昇進が有利になる可能性もあるでしょう。将来的な給与やボーナスのアップが望めます。

また、看護師よりも給与やボーナスの高い助産師・保健師などを目指す方法もあります。先の厚労省の調査結果によると、保健師の平均ボーナスは92.1万円、助産師は88.8万円でした。

2.勤務地を変える

最低賃金が都道府県で異なるように、看護師の基本給やボーナスは勤務エリアによって異なります。ボーナス制度のある勤務先前提ですが、給与水準の高い都道府県で働けばボーナスアップが期待できます。

ボーナスを上げたいなら、都道府県ごとの看護師の給与やボーナス額を調べてみると良いでしょう。

3.転職する

ボーナスを上げたいなら、給与水準が高くボーナスも多い勤務先に転職するのが確実な方法です。国立病院機構の病院や、病床数・従業員の多い病院は、給与水準やボーナス水準が高めに設定されています。

また、自由診療を行う美容クリニックも給与水準が高めです。一般の病院と異なり、長時間の残業や夜勤なしで高年収を期待できます。

ボーナスが少ないと悩んでいる看護師が転職する際の注意点!

ボーナスが少ないと悩み、転職を考えている方も多いでしょう。収入アップを期待しての転職には、ポイントや注意点があります。ここからは、職場探しや応募する際に気を付けておきたい3つのことを解説いたします。

1. ボーナスの額面ばかりを重視しない

記事前半でも述べたとおり、ボーナスの支給は法律で定められていません。会社の業績によって減額されることも多いです。変動性が高いため、基本給のベースが高い職場を選ぶほうが良いという考え方もあります。

特に、安定した生活を求めている人であれば、基本給+ボーナス(年2回)の総額が同じ職場でも、基本給の高い職場を選びたいと考える場合が多いようです。

基本給の高い職場なら、美容クリニックも選択肢のひとつです。基本月給は30~40万円程度。インセンティブ制度を設けているクリニックも多く、成果に応じて報酬を受け取ることもできます。

美容看護師の給与水準については、以下の記事で詳しく解説しています。
年収500万円以上も?美容看護師の給料が高い3つの理由!ノルマはきつい?

転職先として美容クリニックも考えたい方は、全国対応の美容看護師専門の転職サイト「ビナラボ」をご利用ください。現役美容ナースをはじめ、さまざまな経歴を持った美容業界のキャリアアドバイザーから転職のサポートを受けられます。

2. 転職時期を見極める

転職による年収アップを期待するには、転職時期の見極めが重要です。

一般的に春は年度末の3月を区切りに退職する看護師が多く、人員を埋めるために高額のボーナスを提示するケースがあります。ただし4月に入ると新卒採用の関係から求人自体が少なくなるため、注意しましょう。

また、決算が終わった秋の時期も、求人数も多く好条件の案件が増える傾向にあるので、年収 の高い求人を見つけられる可能性が高くなります。事業拡大による求人も現れやすい傾向です。

退職の時期も考慮に入れ、計画的に転職活動を進めていきましょう。

3. 条件をよく確認して必要に応じて交渉する

転職で給与水準を上げたい場合、支給基準や実績も確認して比較検討しましょう。特にボーナスが業績や個人実績によって大きく変動する場合、実際には記載されているほどのボーナスをもらえないケースもあるためです。

給与額やボーナスについては病院側と交渉することも可能ですが、ハードルは高いです。条件を交渉したい場合や詳しい支給基準について確認したい場合には、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントは、給与交渉だけでなく非公開の案件の紹介を受けられるなど多くのメリットがあるので、ぜひ活用してみましょう。

まとめ

看護師のボーナス水準は、勤務先によってかなり差があります。ボーナスが少なく将来的なアップも期待できないようであれば、思い切って転職するのもおすすめです。

ボーナス水準が高い職場として、国立病院機構の病院や大規模病院、美容クリニックなどが挙げられます。現在のボーナスに不満があるなら、ぜひ転職も検討してみましょう。