美容看護師への転職を目指しているものの、書類選考や面接で落とされてしまって、なかなか転職活動がスムーズに進められない方も多いのではないでしょうか。美容クリニックに採用されるには、美容看護師として求められているスキルを転職先にアピールする必要があります。
今回は、看護師が美容クリニックの面接で落ちた原因と美容クリニックの面接で受かる方法を紹介します。
美容クリニックの面接は難しい?落ちる人は多いの?
結論からいうと、美容クリニックの面接で落ちる人はそれほど珍しくありません。
一般的に医療機関では看護師が不足しているため、不採用となるケースは少ないでしょう。しかし、美容クリニックとなると少し話が変わってきます。
美容クリニックは夜勤や残業が少ないので、一般病院の看護師と比較すると待遇が良いケースが多いです。それでいて一般病院の看護師と同等、もしくはそれ以上の年収を実現できるので、人気も集中しています。
エリアや時期によっても異なりますが、人気の高いクリニックでは倍率が10倍以上に及ぶ場合もあります。特にコロナ禍では、美容クリニックの求人倍率は平常時より大幅に高くなっているようです。
また、東京のように美容クリニックが多い地域よりもクリニックが少ない地方ほどその差は顕著に現れ、1人の採用枠に対して50人の応募が殺到するケースもあります。当然ながら、書類選考の時点で落とされることも珍しくないといえます。
美容クリニックの求人倍率については、下記の記事でも詳しく解説しています。
「美容看護師は倍率が高い?人気の理由や働くときの注意点を徹底解説」
看護師が美容クリニックの選考で落ちる主な理由
美容クリニックは倍率が高いとはいえ、採用される方がいるのも事実です。美容クリニックの選考に落ちてしまう原因はどこにあるのでしょうか。
関連記事:「美容看護師に受からない理由とは?美容クリニックの採用基準について解説!」
1.応募書類
書類選考において、特に気を付けてほしいのが履歴書に貼る写真です。履歴書用として不適切な写真を貼ると、不採用になる可能性が高いので注意しましょう。
清潔感の感じられる身なりや髪型を意識するのは当然ですが、美容クリニックに提出する写真なので、派手すぎず、ナチュラルメイクを施してから撮影することをおすすめします。
書類を作成する際にも、気を付けるべきポイントがいくつかあります。例えば、提出書類に空欄が多いと意気込みが感じられないため、不採用になりやすいです。履歴書や職務経歴書に書ける経験が少なくても、記憶に残っているエピソードを追加するなどして空欄を埋める努力をすると好印象につながります。
誤字脱字が多かったり、下書きの跡が残っていたりする応募書類もイメージは良くありません。履歴書の書き損じはそのままにせず、一から作り直すようにしましょう。
2.面接での受け答え
面接での受け答えも、美容クリニックの選考結果に大きく影響します。
基本的な接遇や敬語が身についていない
美容クリニックでは入社してから覚えることがたくさんあるため、クリニックとしては基本的な接遇や敬語が身についている方を優先的に採用したいのが本音です。それゆえに、挨拶ができない、敬語が使えない方は不採用になりやすいでしょう。
また、面接中は緊張しやすいので、面接官と目を合わせられない、笑顔がつくれない方もいるかと思われます。しかし、目を合わせなかったり、表情が暗かったりすると態度が悪いと思われて不採用になりやすいので、注意が必要です。そして、あまりにも砕けた、フランクな話し方も良いイメージを与えません。
志望動機や自己PRが不十分である
志望動機や自己PRを考えずに面接に挑む方も、不採用にされやすい傾向があります。例えば、「美容に興味があるから」「美容が好きだから」という志望動機では内容が薄く、ほかの応募者との差別化が図れません。
実際には「夜勤がないから」「家から近いから」「収入が高いから」という志望動機であったとしても、そのまま伝えない方が良いでしょう。
どこの美容クリニックにも通用するような内容ではなく、応募したクリニックだけに通用する志望動機を考えることが大切です。看護師として勤務してきた中で得た気づきをもとに、なぜ美容クリニックに転職しようと思ったのか、なぜその美容クリニックで働きたいのかまとめておきましょう。
自己PRが長くなりすぎたり、要点を押さえていなかったりすると、面接官に伝わりづらくなります。これまでの経験や自分の強みを簡潔に伝えられるよう、事前にまとめておくことが大切です。
前の職場を辞めた理由がネガティブである
美容クリニックでは前向きな気持ちで応募してくる方を採用したいため、前職の不満や愚痴を言う方は面接で不採用にされています。たとえ前の職場を辞めた理由がネガティブな事情であったとしても、それを素直に伝えてはいけません。
面接で前職の不満や愚痴を漏らすと、「転職してもまた同じように不満を抱かれるのではないか」と思われてしまうでしょう。
熱意が伝わってこない
美容クリニックの仕事は覚えることが多く、熱意がないと続きません。したがって、面接では熱意ややる気を伝えることも大切です。給料や勤務時間など条件面ばかりにこだわる方もいますが、条件面の質問ばかりすると美容への熱意が伝わりにくいので、不採用となるケースがあります。
事前知識が乏しい方もまた、熱意が低い印象を与えがちです。事前に収集できる情報は把握しておき、ホームページに記載されている内容に関しては質問を避けるなど気を付けましょう。
3.外見
美容クリニックは患者様に美を提供する場であるため、身だしなみに気を配る必要があります。
面接時はスーツを着用する、長い髪はまとめるなど、基本的なマナーが守れていないと、選考に落ちやすいので、外見を整えることは非常に重要です。
ただし、美容クリニックだからといって華美な服装や厚化粧をする必要はありません。面接に派手過ぎる格好をして行くと、ビジネスマナーが身に付いていない人と思われてしまうため、面接に適したヘアスタイルやメイク、服装で臨みましょう。
美容クリニックでは年齢や容姿で落とされることもあるの?
美容クリニックの面接で落ちた場合、「年齢や容姿が理由で不採用になったのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし、本当に年齢や容姿が原因で面接に落ちることはあるのでしょうか。
20~30代をメインで採用するクリニックもある
美容クリニックでは、20代〜50代の幅広い年齢層の看護師が活躍しています。
一般的には未経験でのチャレンジとなる場合、20〜30代をメインに雇用する傾向が見られます。また、患者様の年齢層や職場の年齢層に合わせて年齢制限を設けているクリニックがあるのも事実です。
ただし、実際には40〜50代で活躍している看護師もいますし、クリニックによっては経験豊富な看護師を歓迎する場合があります。
50〜60代の患者様が多いクリニックでは、近い世代の看護師のほうが悩みを共有できると考え、同世代の看護師を採用するケースもあるようです。
そのため、どれくらいの年齢層の方が働いているのかチェックした上で、最適な転職先へ応募するのが採用への近道といえます。
外見では美意識の高さが見られている
美容クリニックの面接においては、看護師の見た目も重視されます。なぜなら、看護師の見た目が患者様に与える影響も大きいからです。
とはいえ、必ずしも美人でないと合格しないわけではありません。美容クリニックの看護師に求められる見た目は、品位や美意識の高さのことで、メイク・髪型・声のトーンなどを含めた雰囲気が見られています。
美容クリニックの選考を受ける前に知っておきたいこと
美容クリニックの選考を受ける前に、採用基準やどのような方が向いているのか理解を深めておくことが大切です。
下記の内容を意識しながら、面接準備をしてご自身の長所を採用担当者へしっかりとアピールしましょう。
美容クリニックの採用基準
美容クリニックで働くスタッフに求められるスキル、採用基準となるポイントは下記の通りです。
・患者様への思いやり
・清潔感のある身だしなみ
・ビジネスマナーを兼ね備えている
クリニックが提供している施術を深く理解するために、美容医療への関心や意識が高いことは大前提です。美容はトレンドの入れ替わりが激しい分野のため、常に最新のトレンドを追いかけ、知識や技術を吸収することが求められます。また、共感力や思いやりがあり、患者様の悩みに寄り添えるかどうかも重要なポイントです。
さらに、美容看護師の見た目や雰囲気、接客態度はクリニックの評価に大きく影響するため、面接時の第一印象を重視している場合は多くあります。髪型などの身だしなみ、声のトーン、表情など、清潔感や親しみをもたれる努力も必要です。
美容クリニックの面接における採用基準は、下記の記事でも詳しく解説しています。
「美容クリニックの採用基準|面接でチェックされる項目と採用のコツを解説」
美容クリニックに向いている人の特徴
美容クリニックに来院する患者様は美への意識が高い方が多くいます。
美容に関する相談や質問をされる場面も多いことが想定されるため、美しさを保つための努力を続けられる方は美容クリニックに向いているでしょう。
ほかにも下記のような方は、美容クリニックに向いているといえます。
・コミュニケーションや接客業務が得意
・看護業務以外の仕事も積極的に取り組める
・向上心をもって新しい知識や技術を学べる
・営業のセンスがある
・SNSの運用経験がある
美容看護師は、患者様の悩みや希望を丁寧にヒアリングし、満足いく施術を提案する必要があります。
また、契約成立によってインセンティブが発生する場合もあるため、向上心をもって契約数を増やす工夫のできる方が向いているでしょう。
近年は集客のためにSNSで発信を行うクリニックも増えたため、応募先によってはSNSの運用経験があると好まれるケースもあります。
美容看護師の適性を知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
「美容看護師(ナース)に向いている人・向いていない人の特徴を徹底解説!」
美容クリニックの看護師に受かるためのポイント
美容クリニックに落ちた方でも問題点を洗い出して改善すれば、採用へと近づくでしょう。ここでは、美容クリニックの面接に受かるためのポイントを紹介します。
情報収集して自分に合うクリニックを選ぶ
美容クリニックの面接を受ける前に、情報収集をしておくことが大事です。ホームページやSNSなどを見てどのような雰囲気の看護師が求められているのか確認しておくと良いでしょう。
可能であれば、実際に応募するクリニックで働いている看護師を見ておくのもひとつの方法です。
面接でよく聞かれる質問の回答を考えておく
美容クリニックの面接でよく聞かれる質問を知っておき、それに対する回答を考えておくことも大切です。特に、下記の質問がよく聞かれます。
・このクリニックを選んだ理由
・これまで働いた中で印象に残っているエピソード
クリニックを選んだ理由とともに、就職したらやりたいことも伝えると好印象につながります。また、看護師として働いてきた方なら印象に残るエピソードがあるはずなので、志望動機とは別にエピソードも用意しておくと良いでしょう。
そのほか、面接時のポイントについて知りたい方は下記の記事も参考にしてください。
「美容看護師の面接で重視されるポイントとは?質問への回答例まとめ!」
ほかにも、自分の長所と短所や美容に興味をもったきっかけなども答えられるように準備しておくことをおすすめします。
美容看護師向けの転職サポートを利用する
看護師の経験を活かして美容クリニックに転職するなら、転職サポートを利用するのもひとつの方法です。転職サイトを使うと情報を収集しやすく、アドバイザーから事前に履歴書や面接の対策をしてもらえるメリットがあります。
美容看護師(ナース)専門の転職エージェント「ビナラボ」では、美容業界に精通したアドバイザーによる転職サポートを提供しております。無料相談も受け付けているので、美容クリニックへの転職を成功させたい方は、ぜひご活用ください。
まとめ
美容クリニックの面接は他の医療機関と比べて競争が激しいため、一度落ちてしまっても諦める必要はありません。採用されるためには、美容医療に対する意識の高さや患者様に寄り添う姿勢、そしてクリニックで働く看護師として必要なスキルを意識して面接に臨むことが重要です。また、自己PRや志望動機は面接官に伝わりやすいよう、具体的かつクリニックに合った内容にすることがポイントです。
転職活動は根気が必要ですが、改善を続けていけば、きっと自分に合った美容クリニックが見つかります。この記事で紹介した内容も参考に、自分自身の魅力や強みをしっかりアピールできるように準備を進めてください。