看護師の転職活動では、職務経歴書で自分の経歴や実績、スキルをアピールすることが重要です。たとえ転職回数が多かったとしても、職務経歴書の書き方次第で書類選考の通過率は大きく変わります。
今回は、看護師の職務経歴書の書き方について解説します。過去の転職歴が多い、勤続年数が短いなどネックとなる部分のある人でも、効果的にアピールする手法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
看護師の職務経歴書の書き方
看護師の職務経歴書に、特定のフォーマットはありません。応募先企業から指定されている場合を除き、原則として職務経歴書のフォーマットは自由です。
職務経歴書では以下の内容を記載するのが一般的です。
・職務経歴
・保有スキル
・自己PR
・応募理由
あまりボリュームが多くても冗長に感じられてしまうので、A4用紙1~2枚程度に収めましょう。
職務経歴書のまとめ方として、以下の3種類があります。自分の経歴を振り返ったうえで、どの形式なら効果的にアピールできそうか、しっかり押さえておきましょう。
・編年体形式
これまでの職務経歴を時系列にまとめる形式。履歴書と照らし合わせながらチェックできるため、採用担当者にとって経歴を確認しやすくなります。
・逆編年体形式
直近の職務経歴から遡って記載する形式。現在の仕事から紹介していく形式になるため、直近の経歴が応募先の仕事内容と近い場合に活用すると効果的です。
・キャリア形式
経験年数ではなく、職種や業務ごとにまとめる形式。これまでの経験やスキルをアピールしたいときにおすすめです。
また、履歴書の書き方については、以下の記事で解説しています。
【看護師の転職マニュアル】履歴書はどう書く?基本マナーから徹底解説!
採用担当者が看護師の職務経歴書で重視するポイントは?
看護師の職務経歴書のうち、採用担当者が特に重視するポイントがあります。
看護師のスキル
最も重視されるのは、看護師としてのスキルです。どのような看護業務に従事してきたのか、得意分野や実績などを詳しく記載します。
看護師の転職では、転職回数や前職での勤続年数よりも、スキルを重視する傾向にあります。理想とするキャリアイメージが明確化しており、転職の理由をポジティブに伝えられるのであれば、転職回数はあまり気にされないでしょう。
まずは自分がどんな業務に自信をもてるか自己分析し、職務経歴書に盛り込んでいくことが大事です。
看護業務の経験年数
転職回数があまり重視されない一方で、看護業務の経験年数を重視するところもあります。看護師は実務経験の年数が長ければ長いほど、スキルアップしやすい職種であるためです。総合的な経験年数が長い方が有利に働く傾向にあります。
また、現場での看護業務だけでなく、後進看護師の教育、育成などマネジメントに携わってきた経験は高く評価してもらえます。なるべく長い職歴を優先して職務経歴書に記載しつつ、アピールできるポイントは積極的に盛り込んでいきましょう。
転職が多い看護師の職務経歴書はどう書けばいい?
一般的に、転職回数の多い人は転職市場で不利になるというイメージが根強くあります。しかし、アピール次第ではポジティブな伝え方ができるため、しっかり工夫して記載することが大事です。
ここでは、転職が多い看護師の職務経歴書について解説します。
豊富な経験をアピールする
転職が多いことをポジティブに捉え、前向きにアピールすることが大切です。さまざまな職場を経験していること、多くの患者様と対面してきたことなどを伝え、やりがいや熱意を語りましょう。
なかには、長年同じ職場でしか働いてこなかった看護師に懸念を示す採用担当者もいます。職場ごとにカルチャーが異なることを十分理解していること、そのうえで応募先企業に合わせて働く意欲があることをアピールできれば、良い印象をもたらせるでしょう。
とはいえ、転職回数が多いことがマイナスに働くことももちろんあります。そのため、多くの職場で学んだことをしっかりまとめておき、伝えることが重要です。
採用担当者にとって読みやすい書き方にする
転職回数が多いと職務経歴書も長くなりがちなので、採用担当者の立場を踏まえた上で、読みやすい書き方にすることが大切です。
箇条書きにして1文を短くしたり、表にしてわかりやすく記載したりすると良いでしょう。
反対に、「なるべく多くの要素を盛り込んだ方が評価されやすいだろう」と考えて冗長になることは避けましょう。
看護師の仕事に関連しない経歴は省略する
看護師の業務とは直接関連しない経歴がある場合、省略もしくは1行程度にまとめましょう。完全に省略してしまうと空白期間だと思われてしまい、良くない印象を与えてしまうかもしれません。
「2000年~2001年 飲食業のホールスタッフ」など、大まかな仕事内容だけ示すのみに留め、省略しすぎない範囲にするのが理想です。
転職が多い看護師が希望の転職を実現するには?
転職が多いとつい転職活動にネガティブになり、条件を妥協してしまう人も多いです。しかし、アピール次第では理想とする職場へ転職することができるでしょう。
ここでは、転職回数が多い看護師が転職を成功させる方法について解説します。
リサーチを十分にする
まずは、応募先に関する情報を十分にリサーチしましょう。条件面だけでなく、公式HPやSNS、口コミなどで応募先の理念や職場の雰囲気を確認しておくのもおすすめです。
自分の価値観やスキルとの相性が悪い職場に入職した場合、年収などの諸条件が良くてもミスマッチな働き方になってしまいます。カルチャーなども含めて自分の理想に近い職場か検討し、厳選していくとミスマッチのリスクを軽減できます。
多くの情報を得るには、専門家に相談するのがおすすめです。看護師転職のサポートに強いサービスもあるので、利用を検討してみましょう。
転職しようと思ったきっかけを洗い出す
転職回数が多い場合、「忍耐力がないのでは」「すぐに辞めてしまうのでは」などと思われてしまう可能性もゼロではありません。転職しようと思った理由を冷静に分析し、なぜ転職回数が増えているのか考えましょう。
同じ理由で転職を繰り返しているのであれば、今後の解決策を見出したうえで、次の応募先を慎重に選ぶことが大切です。原因がわからない場合は、転職エージェントに相談しながら第三者目線で客観的に分析してもらうのも良いでしょう。
転職エージェントを活用する
転職エージェントでは、履歴書・職務経歴書の添削や求人紹介、面接対策など、さまざまな転職サポートを受けられます。これまでのキャリアを生かせる職場をピックアップしてくれたり、強みや適性を客観的に分析してくれたりするので心強い存在となるでしょう。
もし利用するのであれば、看護師の求人に特化した転職エージェントがおすすめです。看護師ならではのキャリア形成に詳しいコーディネーターが在籍しているため、細かな相談にも対応してもらえます。
まとめ
転職回数が多い看護師であっても、ポイントを押さえて職務経歴書を書くことで、採用担当者に良い印象をもたらせます。ただし、職務経歴書の内容が薄かったり要点を得なかったりすると、書類選考で落ちてしまうおそれがあるので注意しておきましょう。
転職回数が多い場合や、職務経歴書の書き方に不安を感じている場合は、転職エージェントを利用してみることをおすすめします。